歯みがき粉のなぜ?

歯磨き粉

歯みがき粉って、殆どがペースト状で売られていますよね。それなのに、どうして歯みがき粉っていうのでしょう?この素朴な疑問にお答えします。

歯磨き粉は昔は本当に粉末だった

実は歯みがき粉は、昔は粉状だったのです。江戸時代初期に、塩や貝殻の粉末等を混ぜた粉を使って歯を磨いていたそうです。

その後、明治時代から戦後までは粉末の歯磨き粉が主に使われていました。その後、練り歯みがきが発売されましたが、その頃にはもう「歯みがき粉」という呼び名が定着しており、そのまま今日に至るまで「歯みがき粉」と呼ばれているとのことです。

最近では殆どの製品がペースト状ですので、「歯みがきペースト」と呼ばれることも多いようです。

歯磨き粉に含まれる成分は?

歯磨き粉にはどんな役割をする成分が含まれているのでしょうか?

1.研磨剤

研磨剤の働きで、歯磨き後の歯はツルツルになります。ホワイトニングをうたった歯磨き粉には、研磨剤が多く含まれている商品があり、それらを長期間使用すると、歯の表面を削りすぎてエナメル質が薄くなり、知覚過敏を起こしたり、虫歯になりやすくなったりするので注意が必要です。

2.発泡剤

歯磨き粉を使うと、お口の中が泡で一杯になりますね。あの泡を作り出すのが、発泡剤です。歯磨き粉を泡立てることで、お口の中全体に歯磨き粉が行き渡るようになります。

3.湿潤剤

歯磨き粉をなめらかなペースト状にするための成分です。

4.芳香剤

ミントに代表されるスッキリした清涼感のある香りは芳香剤によるものです。好きな香りの歯磨き粉を使うことで、気持ちよく歯磨きすることが出来ます。ただし、このような歯磨き粉を使っていると、お口の中がスッキリするためにきちんと歯が磨けているような気になってしまい、実は歯垢などの汚れが落ちていない場合があります。

5.殺菌剤・消炎剤

歯周病予防をうたった歯磨きに含まれていることが多く、歯肉炎の方が使用することで、ある程度の効果は期待出来ます。ただ、進行した歯周病の方は、歯磨き粉だけで治ると思わず、歯科医院での治療をお受けください。

歯磨き粉で虫歯予防できる?

現在販売されている歯磨き粉の多くに、虫歯予防のためのフッ素が含まれています。
歯磨き粉に含まれているフッ素(フッ化物)には、虫歯菌が出す酸に溶けにくい
強い歯にする作用があります。

同時に、酸によって溶け始めた歯の表面を元に戻してくれる再石灰化
という作用もありますので、多くの歯科医院で虫歯予防のためのフッ素入りの歯磨き粉が
推奨されています。

甘い歯磨き粉は虫歯になる?ならない?

さて、その歯みがき粉ですが、甘い味が付いたものも多いようです。「甘いものを食べると虫歯になる」と良く言われますが、歯みがき粉が甘いと、虫歯になってしまうんじゃないでしょうか?

実は、歯みがき粉の甘い味は、虫歯の原因になる糖分ではなく、サッカリンナトリウムという甘味料が使われています。そのため、甘い歯みがき粉を使っても虫歯になる心配はありませんので、安心して毎日しっかり歯をみがいてくださいね。

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