2012年09月一覧

QOLってご存知ですか?

QOLとはクオリティ・オブ・ライフの略です。

直訳すると「人生の質」「質の良い人生」ということになりますが、医療の現場では、疾病を患った方の生活や人生の質を高めるという意味で使われています。

近年では、健康な人も含めて、生活の質そのものを高めて充実した幸せな人生を送るという意味で使われることも多いです。

歯の治療もQOL向上のためには重要で、食べ物を何でも自由に噛んで食べることが全身の健康に繋がり、その方の人生をより満足度が高く幸せなものにします。

抜けた歯をそのままにして、歯周病も進んでしまい、軟らかいものしか食べられない状態が、以下に個人の幸福観からかけ離れているか、想像に難くないと思います。

日本は世界一の長寿国ですから、高齢になってからの人生をどう生きるのかは、お一人おひとりにとって大きな課題となります。

何歳になっても心身ともに健康であることで、行動範囲が広まり、生き甲斐や幸福を見出す機会が増え、QOLが向上します。

ご自身の健康を維持するための、健康管理の一環として、歯の治療をお受けいただきたいと思います。


歯周病は生活習慣病?

人間なら誰しも食事をしなければなりませんので、歯垢(プラーク)は誰にでもあり、口の中には細菌がたくさん住みついています。

プラークの中にいる細菌は、バイオフィルムという強固なバリアのようなものを形成しており、バイオフィルムはうがい程度ではなかなか落ちてくれません。

しかしバイオフィルムをそのまま放置すると、菌がどんどん繁殖して歯ぐきの炎症を起こして歯石を作り、やがて歯周ポケットが出来ます。

歯周ポケットの中は歯ブラシが届きませんので、その中でますます細菌が繁殖して、歯周組織を破壊していきます。

歯みがきでプラークを毎日綺麗に落とす習慣がないと、あっという間に虫歯になったり、歯周病が発病します。

喫煙者の方は、歯周組織の抵抗力が弱まっていますので、歯周病になりやすく、悪化しやすいという特徴があります。

このように、歯周病は生活習慣によって発症する場合が多いため、生活習慣病としてとらえられています。

歯の健康のためには、正しいブラッシングをする習慣をつくり、喫煙者の方は出来れば禁煙していただきたいところです。

高齢になってもご自身の歯で何でも噛めておいしく食べられるように、少しずつでも生活習慣を改めてみませんか?

 


バイオフィルムを取り除きましょう

歯垢(プラーク)はバイオフィルムという細菌の集まった構造体を作っています。

歯周病の原因となる病原菌はこのバイオフィルムの中いるため、正しいブラッシングでバイオフィルムを取り除かねばなりません。

ところが、歯垢を構成している細菌は、粘着性の物質を出すため、こすっても簡単に取り除くことが出来ません。

歯みがき後、どの程度バイオフィルムが残ったままになっているのかを簡単に知る方法があります。

染色液で歯の表面の歯垢(プラーク)を染めるのです。

赤く染まっている部分が、みがき残した歯垢です。

みがき残しやすい部分は特にていねいにブラッシングして、バイオフィルムをこすり落とす練習をしましょう。

歯ブラシの毛先は歯面に直角に当てるようにして、特に歯ぐきとの境目の部分は、あまり強い力でこすらず、小さい振動で歯ブラシを動かします。

磨きにくい部分は、デンタルフロスや歯間ブラシを利用するという方法もあります。

しかし、歯周ポケット内に出来たバイオフィルムは歯みがきだけでは取り除くことが出来ませんので、定期的に歯科医院に通って、歯科衛生士の手によるクリーニングを受けてください。


歯科衛生士による歯のケア(PMTC)

PMTCとは、専門家による歯のクリーニングのことです。

歯ぐきの炎症の有無や歯垢(プラーク)が残っていないか、歯石がついていないか、歯周ポケットの有無や深さを、定期的に歯の専門家である歯科衛生士が調べて、プロが使う専門的な道具でクリーニングします。

毎日の歯みがきでは届かない場所や、自分では落とせない歯石、歯周ポケットの内部まできれいに出来ます。

虫歯や歯周病を予防するためには、プラークコントロールが必要ですが、完全なプラークコントロールを自分自身の手で行うことは不可能です。

そこで、年に2~3回の頻度でPMTCを受けることをお勧めいたします。

こうしたプロによるケアの積み重ねが、虫歯や歯周病の予防や早期改善になり、高齢になったときにより多く自分の歯を残すことにつながります。

また、みがき残しの発生しやすい歯と歯のすき間のみがき方など、歯みがきのトレーニングもしてもらえますので、何でもご相談くださいね。


お子さんの食事~よく噛んで食べましょう~

五感を駆使することで、毎日の食事が更に美味しくなります。

五感とは、味覚(味わうこと)、視覚(みため)、嗅覚(におい)、触覚(歯ごたえ、のどごし)、聴覚(音、おしゃべり)のことです。

お子さんの食事は、食べ物の色や香りを感じることから始まります。

お口の中では、味覚と、冷温覚、食圧覚でどんなものが口の中に入ってきたのかを感じます。

同時に、耳で食べ物が歯で砕かれる音を聞くことが出来ます。

顎関節や筋には、食べ物のかたさを感じ取る器官があり、これら全ての器官を、人間は無意識のうちに駆使して、食事を楽しんでいます。

そして、良く噛むことで脳の働きが活発になり、学習能力の向上につながります。

また、前歯は食べ物を噛み切ったり、固さを感じ取るために使い、食べ物を噛んですりつぶし、飲み込みやすくするのは奥歯の役目です。

お子さんが前歯と奥歯をきちんと使い分けているかどうか、食事の様子を観察してみましょう。

噛む回数は30回を目標にしてくださいね。

なかなか30回も噛めない人は、最初の3口だけでも、気を付けて30回噛んでみましょう。

お口と歯の健康と食生活を大切にしていきましょう。